こんばんは。本と漫画を愛する主婦のがみさんです。
自粛生活、お疲れ様です。ストレスが溜まると読書がはかどるタイプの人間なので、書籍代が大変なことになっています。
日本はもちろん全世界大変なことになっていますが、この現状にグサグサ刺さる漫画を見つけてしまったので紹介します。
「リウーを待ちながら」 です。
ただ、この漫画は感染症がメインテーマなので、漫画に共感してしまいがちの方、長引く自粛でメンタルが疲弊している方にはしんどくなること間違いなしなのでオススメできないです。ご注意を!!
あらすじ
富士山をのぞむ「横走市」は人口が8万人程度。自衛隊の基地とともにあるのどかな市だった。ある日、インフルエンザの季節でもないのに高熱、呼吸不全の患者が2例、横走中央病院に運ばれる。それを契機に原因不明の同症状の患者が次々とやってくるようになる。検査の結果はペスト。感染したことを知らずに、普通に過ごしていた住民たちは、感染を徐々に広げ、数日後にアウトブレイクを起こす。
見どころ
感染の広がり方がとてもリアル。パートの主婦から買い物をしたタクシーの運転手、タクシーの運転手と会話をした乗客…とみんなペストに感染したことを知らずに生活していきます。
作中にもありますが、ペストは今まで世界で2億人が死亡。全世界で3回流行しており、2回目の中世ヨーロッパでは当時の人口の1/3~2/3が死亡。恐ろしい病気です。
感染し、患者さんはどんどん亡くなっていきます。最初に患者が運ばれた横走中央病院はふつうの市中病院です。普段は風邪や食中毒、熱中症の患者さんが来ているような病院が、あっという間にペスト患者で埋め尽くされます。玄関先でトリアージが行われ、人工呼吸器が足りなくなり、駐車場には自衛隊のテントが建てられて戦場と化します。
絶望的な状況のなかで、自分の職務を淡々とこなす人々。医師、看護師、事務、掃除、自衛隊、応援の医師団。敬意しかない姿勢に、祈るような気持ちになります。
見どころ②
ペストが広がり、横走市は封鎖されます。出ることも入ることもできなくなります。それでもペストは横走市民に次々と感染していきます。すると次に何が起こるのか。
感染者への差別です。感染者が多い地域での空き家の放火、感染者が出た家は遠巻きにされ、新たな感染者が出れば後ろ指をさされ、マスクは売り切れ、除菌グッズも手に入らない。
更に、横走市外でも差別が広がります。横走市出身というだけでいじめに遭ったり、ペストに感染しているのではないかと疑いのまなざしで見られます。
登場人物の1人、原神先生の言葉が深いです。
すぐ思い付く対象を攻撃して問題を”解決”しようとするのは500年間変わらない人間の営みさ…。
そもそも無理なのかもしれないな…。
人間は解決できない事に
耐えられないのかもしれない。
まとめ
あまりの切迫感と現状との酷似のため、読む人を選んでしまう漫画ですが、読めそうな人は読んでほしい…。
自分1人が頑張ったからといって、嵐のような理不尽さには何も抗えない。
それでも、嵐の中にいる人たちは嵐がやむのを待ちながらも進む道を探さなくてはいけない。
嵐が過ぎ去るのを待つ勇気がもらえる漫画です。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!