おはようございます。
本と漫画を愛する主婦、がみさんです。
「ほっとする漫画が欲しい」
そんなあなたにはこちらをどうぞ!
「金の国 水の国」です!
[1.あらすじ]
富にあふれるA国と、水と緑の資源に富んだB国は仲が悪く、戦争まで引き起こした。
和解策として「A国の1番美しい娘をB国に嫁にやり、B国の1番賢い若者をA国に婿にやる」ことになる。
ところがA国もB国もまともにその和解策に乗ろうとしない。
そんなご時世に、A国の王女サーラがB国の青年ナランバヤルに偶然出会うところから大きく話が動き始める。
[2.読むべきポイント(ネタバレなし)]
・誰かのために頑張ることが本当に美しく描かれた漫画。
・政略結婚物にありがちな男性側(もしくは女性側)が優位に立つことがない。どちらも平等。
・人の優しさがしみる。
・見開きの良さを最大限に活かしている。
・人が他人で変わる瞬間をみられる。
・誰かに肯定してもらえる幸せを実感する。
・立場で生まれるしがらみを理解できる。
悪人!!と断罪できない。
[3.オススメ場面(軽めのネタバレあり)]
ナランバヤルが謎かけをふっかけられる場面が
あります。
問いは「1人の男に対して3人の王女。たった1人を選ぶならどうすれば良いか」
この回答がとても素敵です。
「これは父の言ってたことで、全く私の言葉ではないんですが…
結婚して他人と家族になるということは
夢物語ではない。
我慢することや悲しいことは波みたいに押し寄せて、最初に感じた愛や恋は月日とともに
どんどんすりへって、違う何かに変わっていく。
だから君はその時の美しさよりも、一瞬の楽しさよりも、自分の親兄弟と同じか、それ以上に自分を大切にしてくれる人を探しなさい と。
だからつまり…
お茶の時間に最後に残ったビスケットを
黙って食べちゃう人は選んじゃダメってことなんですかね」
既婚者のわたくし、グサッと刺さりました。
私は最後のビスケットを食べてしまっていないかな…。
1巻で完結ですが、政治にうずまく野望や自己との葛藤、他人への愛情、優しさ、違うものを受け入れ、変わることの難しさと未来への希望。
全部詰まった、そしてそれが全て着地できるところに着地した漫画です。
読後感は安堵感、もしくは幸福感で満たされます。ぜひ読んでください。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。